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電気通信事業で建設業許可が必要になるか? | 制度解説 | #経営者 #法務 #行政書士 | #電気通信工事 #電気工事 #建設業許可 #経営者向け #コンプライアンス |
解説のポイント
Level | Who | When | What :困りごと(解説の項目区分) | How:解決案、具体的なフォーカス等 |
1 | 建設業者全般:
法務・事務担当、 経営者他 |
建設業許可取得を検討し、
申請する前と、その後 |
電気通信工事の許可がないとどうなるのか?
違法になる線引きはどこなのか? 許可後のコンプライアンスは? 気を付けることや、よくわからないことが多い。 |
コンプライアンス対応: 特に手続面と規制を知って、安心したい。 |
電気通信事業を展開する企業が建設業許可に関する検討をする際に知っておくべき重要なポイントを説明します。
これには、許可が必要な事業者や工事の種類、許可のない状態での法的影響や建設業許可取得のメリット、
さらに手続きのステップなどが含まれます。
建設業許可が必要な事業者と工事の種類
電気通信事業において建設業許可が必要な事業者と、必要がない事業者に分かれます。
電気通信事業自体は、「他人の通信の媒介」などの該当性に応じて総務省への届出や登録など許認可申請を行うことが必要です。電気通信事業には、それとは別に通信設備を工事する場合も多くあり、そのような場合に原則、建設業許可が必要となります。
したがって、必要な事業者の中には、IoT設備の設置を行う事業者などが挙げられます。特に、クライアント企業に設置する工事が税込み500万円以上の場合が該当します。例えば、通信設備の設置などが主です。
関連して電気工事の施工なども建設業法の対象となります。物的なセキュリティのために内装工事等を行うことも含めて、多岐にわたります。
電気通信工事業とは/電気通信工事の例
工事の種類 | 業種 | 工事の内容(昭和47年3月8日 建設省告示第350号)
工事の例示 |
工事の区分の考え方 |
電気通信工事 | 電気通信工事業 | 有線電気通信設備、無 線電気通信設備、放送 機械設備、データ通信 設備等の電気通信設備を設置する工事
例示: 電気通信線路設備工 事、電気通信機械設 置工事、放送機械設 置工事、空中線設備 工事、データ通信設 備工事、情報制御設 備工事、TV電波障害 防除設備工事
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①「情報制御設備工事」にはコンピューター等 の情報処理設備の設置工事も含まれる。
②既に設置された電気通信設備の改修、修繕 又は補修は『電気通信工事』に該当する。な お、保守(電気通信施設の機能性能及び耐久 性の確保を図るために実施する点検、整備及 び修理をいう。)に関する役務の提供等の業務 は、『電気通信工事』に該当しない。 ③『機械器具設置工事』には広くすべての機械 器具類の設置に関する工事が含まれるため、 機械器具の種類によっては『電気工事』、『管 工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等 と重複するものもあるが、これらについては原 則として『電気工事』等それぞれの専門の工事 の方に区分するものとし、これらいずれにも該 当しない機械器具あるいは複合的な機械器具 の設置が『機械器具設置工事』に該当する。 |
委託契約その他と、「みなし請負工事」
電気通信などのインフラやITの業界においては、建設業法の適用を免れるために、意識的にまたは意識せずに脱法状態になっている可能性があるといえます。
この点、多くは建設業法の適用をうける「みなし請負工事」とされることがあります。
例えば、請負契約でなく、「委託契約や売買契約にしているので、適法だ」とおっしゃられることがあるかと思います。しかし、建設業法24条において、設備の売買などが形式で含まれていても、実際に設備を納入することに、土木・建築(あるいはライフライン・設備)の完成を目的とする工事は、建設工事の請負工事とみなされます。当然ですが、完成を目的としない設置は存在しないことが通常と考えられ、委託契約であれば大丈夫とお考えの事業には、違反リスクがあるといえます。
(請負契約とみなす場合)
第二十四条 委託その他いかなる名義をもつてするかを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。 > ○建設業法第24条において、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、「委託その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の請負契約とみなす」旨が規定されている。 ○これは、現実に締結される契約は、建設工事の完成を目的としているものであっても、必ずしも請負という名義を用いていない場合があることから、本法の適用の対象を明確にし、脱法行為を防ぐために設けられたものである。 ○本条により、委託、雇用、委任その他如何なる名義を用いるもので有ろうと、実質的に報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約はすべて建設工事の請負契約とみなされ、このような行為をする 者に対しては、本法の規定が適用される |
コンプライアンス
「建築一式」の建設業許可を取得したとしても、専門工事には各別の建設業許可が必要です。
さらに専門工事の一つを持っていても、他の業種については基本的にカバーされず、それぞれ許可が必要です。
例外は、「附帯工事(付帯工事)」などになりますが、それに該当しても「専門技術者」の設置ができないと違法になります。
したがって、「電気通信工事」の許可があっても、一定の「電気工事」や「内装仕上」をする場合に、それらの建設業許可がない場合は、業種追加などを検討する事が通常です。
さらに建設業法以外の許認可において次の検討が必要です。
- 電気工事:電気工事業登録が必要
- 解体工事:解体業登録が原則必要
- 元請で建築確認を出す規模の工事:建築一式の建設業許可の検討が必要
自社で一つ一つの手続ごとに、都度調べて申請すると多大な労力と費用がかかります。とはいえ、調査や網羅をせず、また調査したはいいが許可を取得せずに進めた場合に、工事が停止され、あるいは取引先や発注者とのトラブルに派生して受注金額をもらえないことは避けるべきです。
弊社の行政書士サービスは、顧客満足のために、一度に可能な多数の許可業種を取得できるようにアドバイスが可能です。
それがすぐにできない場合、建設業許可取得までのコンサルティングサービスも顧問サービスなどで提供しております。
具体的には、規制や制度についてアウトソーシングする部分を区分し、自社で可能な範囲を理解することが重要です。
もちろん建設業許可取得の後も、様々な規制があります。技術者の要件、違法な工事となる線引きについても正確な専門的チェックを得ることが必要です。
例:配置技術者と専任技術者は兼任が原則不可能であることの解決など
なお、規模が小さい場合は、電気工事業登録の該当性を検討します。
ちなみに電気工事業の建設業許可を取っても、電気工事業登録は別に届出が必要です。
これも弊社の専門行政書士で対応可能なのでご相談ください。
建設業許可のない状態での法的影響
請負額500万円以上(税込み)の金額範囲内で、建設業許可を取得せずに電気通信工事を行うことは適法です。つまり、線引きとして、請負額500万円以上(税込み)については違法となります。500万円以下になるように、脱法的に一つの案件を分割している事業者もいますが、免れることはできません。一生、事業停止などの危険と隣り合わせです。なぜなら行政処分に消滅時効はないからです。
罰則の例として、次の通り整理できます。
- 刑事:無許可営業による罰金や懲役の可能性
- 行政処分:工事を含む全部の営業または一部の営業停止の措置
- 民亊:罰則でないが、不法行為に該当する場合は損害賠償請求の対象
建設業許可のない状態での実務的影響および許可取得のメリット
下記の通り、多くのDX企業やインフラストラクチャー関連事業者の中で、建設業許可がないと事業範囲が限定されることが実情です。さらに適切な許可を得ないまま業務を行うことは、信頼性の損失や事業への悪影響をもたらす可能性があります。
請負形態によって次の通り整理します。
- 元請:発注者からコンプライアンスチェックを受けると、受注できない可能性がある。
- 下請:元請が統率しにくいため、現場に入れないことすらあります。
一方で、建設業許可を取得することで安定した形で工事を行えます。許可を有することでクライアントに対して信頼性をアピールし、事業の発展に寄与します。また、許可を取得することで事業の拡大が容易になります。
建設業許可取得の手続き
建設業許可を取得するためには適切な手続きが必要です。建設業許可の申請書類や必要な書類を整え、都道府県や国土交通省に申請し、申請後も審査の時間が通常1か月、手続によっては4か月ほどかかります
(東京都手引き:https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kenchiku/kensetsu
/pdf/tebiki/1712/H29_3kensetsu_tebiki02.pdf)。
経営業務の管理責任者について
電気通信工事に関する工事の経験を立証するか、当該建設業許可業種をもっていた企業で役員だった経験を立証する必要があります。いずれも原則は建設企業で、5年以上の経営経験が必要です。個人事業の経営も含まれます。
その確認対応や、それより短い場合に可能性を模索する場合はご相談ください。
専任技術者について
公的資格
電気通信工事で専任技術者と認められる公的資格は次の通りです。
- 1級電気通信工事施工管理技士
- 2級電気通信工事施工管理技士
実務経験
電気通信工事業は指定建設業ではありません。
指定建設業以外の場合、「一般」建設業許可であれば、実務経験でも可能です。
10年から3年の範囲で立証が必要です。指定学科に該当する学歴を有する者は次の通りです。
- 大学卒業:3年
- 専門学校卒業の専門士あり:3年
- 高等学校:5年
外国人雇用について
一般的な外国人雇用について、大きく次の在留資格が必要です。
- 特定技能:現場作業可能
- 技能実習:現場作業可能
- 技術・人文知識・国際業務:施工管理、CAD図面作成など
- 特定活動の内、「特定活動46号」などは職務によって可能
電気通信工事は、特定技能でも外国人を雇用可能な業務区分となっています。
行政書士の選定
電気通信工事を行う場合、建設業許可が必要となるケースは多く、建設業者にとって、建設業許可は事業の生命線となります。この点、ある程度の設備をクライアントに設置する電気通信事業者にとって事実上不可欠に近いものです。
したがって、自社で専門的人材を抱えるコストを考えると、専門的な行政書士に依頼し相談することが、コストパフォーマンスがよいことが多く、またコンプライアンスも可能とします。
コンプライアンスは事業停止などを防ぐために重要です。工事の停止など防ぎ、安定的なサービス提供が可能となり、事業の発展に寄与します。なお、建設業許可取得前だけでなく、その後も、様々な規制があります。
そのため、許可申請だけでなく、定期の決算変更や随時の届出、また工事や帳簿のコンプライアンスについても、末永く付き合える行政書士からアドバイスが必要です。疑問や懸念があれば、弊社の専門行政書士にご相談いただければ、的確なアドバイスを提供します。
お問い合わせはお気軽にどうぞ。
FAQ
Q. 他の業者が建設業許可を取得しているのを知らないで下請させた場合、どうなりますか? |
- 下請が建設業許可を有していない場合、元請に罰則が科せられる可能性があります。相手方の建設業許可状況を確認することは、下請自らチェックシートなど提出するような仕組も含めコンプライアンスシステム構築で対応が可能です。
電気通信事業の場合、資格者がまだ少ない地域では許可業者が少ないこともあります。自社が処分をうけないためにも必ずチェックの仕組み化が必要です。
Q. 建設業許可が下りない場合、再申請はできるのか? |
- はい、再申請が可能です。ただし、前回の申請時に指摘された不備や問題点を解消し、建設業法に基づく要件を満たすように改善する必要があります。
Q. 建設業許可を取得してもその後の義務や報告事項はあるの? |
- 建設業許可を取得した企業は、毎年の決算変更つまり決算報告や、変更があれば随時の申請や届出が求められます。
Q. 建設業許可を取得する際に必要な書類や条件は? |
- 上記のとおり、経営業務の管理責任者と呼ばれる常勤役員等や、専任技術者、純資産500万円以上の条件も必要です。