内容

この記事でわかること… 1

1.とび・土工工事業の許可に必要な施工管理技士… 1

2.まずは2級建築施工管理技士(躯体)の第一次検定の受検資格… 2

3.第二次検定の新受検資格|第一次検定合格後の実務経験… 3

4.第二次検定の旧受検資格|学歴と実務経験年数… 3

5.新旧受検資格で異なる「実務経験」の対象範囲… 4

6.ほかの2級施工管理技士の受検資格との比較… 5

7.第一次検定合格や実務経験だけで建設業許可を取得する方法… 6

8.よくある質問(FAQ)… 7

Q1.2級建築施工管理技士(建築)でも、とび・土工工事業の許可を取得できますか?… 7

Q2.2級施工管理技士補でも営業所技術者等になれますか?… 7

Q3.旧受検資格はいつまで使えますか?… 7

Q4.製造業で機械の搬入・搬出を行っていた経験は利用できますか?… 7

9.施工管理技士の受検資格・建設業許可のご相談… 7

参考法令・公的資料… 8

 

 

この記事でわかること

  • とび・土工工事業の許可に利用できる施工管理技士の資格
  • 2級建築施工管理技士(躯体)の第一次・第二次検定の受検資格
  • 新受検資格と2028年度まで利用できる旧受検資格の違い
  • 実務経験として認められる工事・認められない業務
  • 施工管理技士補や実務経験による業種追加の方法

 

とび・土工工事業の建設業許可を取得する際、営業所技術者等の資格として利用できるのが、2級建築施工管理技士(躯体)や2級土木施工管理技士(土木)などです。

しかし、施工管理技士の第一次検定は受検できても、第二次検定では一定の実務経験が必要となります。また、資格の種類によって、とび・土工工事業の許可に利用できるかどうかも異なります。

本記事では、2026年度(令和8年度)の制度を基準に、施工管理技士の受検資格と建設業許可の技術者要件を解説します。

 

1.とび・土工工事業の許可に必要な施工管理技士

一般建設業許可の「とび・土工工事業」では、次の施工管理技士資格等を営業所技術者等の要件として利用できます。

資格 とび・土工工事業の技術者要件
1級建築施工管理技士 対応可能
2級建築施工管理技士(躯体) 対応可能
1級土木施工管理技士 対応可能
2級土木施工管理技士(土木) 対応可能
2級土木施工管理技士(薬液注入) 対応可能
1級・2級建設機械施工管理技士 対応可能

上記は、原則として第二次検定に合格した資格者を指します。

特に注意したいのは、2級建築施工管理技士の「種別」です。

2級建築施工管理技士は、第二次検定で次の3種類に分かれます。

  • 建築:建築一式工事に対応
  • 躯体:とび・土工工事、鋼構造物工事、鉄筋工事等に対応
  • 仕上げ:内装仕上工事、塗装工事、防水工事等に対応

したがって、2級建築施工管理技士の資格を取得していても、種別が「建築」や「仕上げ」であれば、資格単独ではとび・土工工事業の営業所技術者等にはなれません。

ただし、別途、所定の実務経験を満たすことで認められる場合があります。

根拠:建設業法第7条第2号、建設業法施行規則第7条の3

2.まずは2級建築施工管理技士(躯体)の第一次検定の受検資格

2級建築施工管理技士は他業種への汎用性があり、とび・土工工事業のでは活躍しやすい技術検定の有力候補です。

その第一次検定は、「受検年度末時点で17歳以上であること」で受検できます。学歴、卒業学科、実務経験年数は問われません。

そのため、建設業者の従業員だけでなく、製造業者や機械設備工事業者の技術者も、年齢要件を満たせば受検できます。

第一次検定に合格すると「2級建築施工管理技士補」となります。

ただし、第一次検定合格だけで、直ちにとび・土工工事業の許可に必要な技術者要件を満たすわけではありません。

3.第二次検定の新受検資格|第一次検定合格後の実務経験

2024年度(令和6年度)から、施工管理技術検定の受検資格が改正されました。

2級建築施工管理技士の新受検資格では、次のいずれかを満たす必要があります。

保有資格 第二次検定に必要な実務経験
2級建築施工管理第一次検定合格 合格後3年以上
1級建築施工管理第一次検定合格 合格後1年以上
一級建築士試験合格 合格後1年以上

例えば、2級建築施工管理の第一次検定に合格した後、対象となるとび・土工工事の施工管理に3年以上従事した場合、第二次検定の受検資格を満たす可能性があります。

ただし、単に会社に3年以上在籍したというだけでは足りません。対象工事について施工管理等に従事した期間を確認する必要があります。

なお、2級建築施工管理技術検定では、新受検資格による第一次・第二次検定の同年度同時申請はできません。

4.第二次検定の旧受検資格|学歴と実務経験年数

2028年度(令和10年度)までは、経過措置として旧受検資格による受検も可能です。

旧受検資格では、主に最終学歴と指定学科該当性により、必要な実務経験年数が異なります。

最終学歴 指定学科卒 指定学科以外
大学・高度専門士 卒業後1年以上 卒業後1年6か月以上
短大・高専・専門士 卒業後2年以上 卒業後3年以上
高校等 卒業後3年以上 卒業後4年6か月以上
その他・学歴不問 通算8年以上 通算8年以上

旧受検資格のメリットは、第一次検定に合格する前の実務経験を利用できることです。

要件を満たしている場合、第一次・第二次検定を同年度に受検することもできます。

また、2級建築施工管理技士(躯体)には、とび技能士など一定の技能検定合格者に関する別の受検資格区分もあります。

ただし、旧受検資格では、建築基準法上の建築物についての工事現場における施工管理等の経験が必要です。

例えば、工場内の生産機械を移動する経験があっても、それだけで建築物についての工事経験に該当するとは限りません。

旧受検資格を利用する場合には、経験年数だけでなく、工事の対象物や施工内容を確認する必要があります。

5.新旧受検資格で異なる「実務経験」の対象範囲

施工管理技術検定で特に重要なのが、実務経験として認められる工事の範囲です。

2024年度以降の新受検資格では、実務経験の対象範囲は原則として検定種目・種別に対応する建設業種を基準に判断されます。

2級建築施工管理技士(躯体)の場合、とび・土工工事は対象業種の一つです。

例えば、とび・土工工事に該当する建設工事について、次のような技術上の施工管理に従事した経験が考えられます。

  • 施工計画や施工手順の作成
  • 作業工程・作業員の調整
  • 工事の品質管理・安全管理
  • 施工管理の補助業務

一方、原則として次の業務は施工管理の実務経験に該当しません。

  • 機械の製造、加工、修理のみ
  • 設備の保守点検・メンテナンスのみ
  • 見積り、営業、事務のみ
  • 単純な労働作業のみ
  • 対象工事に該当しない機械器具設置工事の経験

建設業法上の「とび・土工工事」に該当することと、施工管理技術検定の受検実務経験に該当することは、別々に確認する必要があります。

旧受検資格と新受検資格では工事対象範囲や証明方法も異なるため、実務経験の内容に応じて有利な制度を選択することが重要です。

6.ほかの2級施工管理技士の受検資格との比較

とび・土工工事業に対応する施工管理技士として、2級土木施工管理技士や2級建設機械施工管理技士もあります。

新受検資格の基本的な必要実務経験は、次のとおりです。

資格 2級第一次検定合格後 1級第一次検定合格後
2級建築施工管理(躯体) 3年以上 1年以上
2級土木施工管理(土木) 3年以上 1年以上
2級建設機械施工管理 2年以上 1年以上

※2級建設機械施工管理では、対象となる建設機械の操作経験等に関する別ルートもあります。

なお、2級建設機械施工管理の受検種別は、油圧ショベル、ブルドーザー等の建設機械を対象としています。クレーンによる機械搬入経験だけで受検実務経験を満たすものではありません。

どの資格が適しているかは、担当している工事の種類と実務経験により異なります。

7.第一次検定合格や実務経験だけで建設業許可を取得する方法

施工管理技士の第二次検定合格者がいなくても、一定の実務経験により一般建設業許可の営業所技術者等となれる場合があります。

主なルートは次のとおりです。

技術者の経歴 必要な実務経験
対象の1級施工管理第一次検定合格 合格後3年以上
対象の2級施工管理第一次検定合格 合格後5年以上
指定学科の大学・高専等卒業 卒業後3年以上
指定学科の高校等卒業 卒業後5年以上
学歴・資格によらない場合 原則10年以上

このほか、1級とび技能士などの国家資格を利用する方法もあります。2級とび技能士については、原則として合格後3年以上のとび工事に関する実務経験が必要です。

注意点として、施工管理技術検定の第二次検定に必要な実務経験と、建設業許可の営業所技術者等になるための実務経験は、審査制度が異なります。

また、営業所技術者等には、対象営業所への専任性などの配置要件もあります。

したがって、資格の受検計画だけでなく、現在の従業員の学歴・保有資格・実務経験を確認し、業種追加の可能性を並行して検討することが合理的です。

8.よくある質問(FAQ)

Q1.2級建築施工管理技士(建築)でも、とび・土工工事業の許可を取得できますか?

資格単独では取得できません。とび・土工工事業に資格単独で対応するのは「躯体」です。ただし、2級建築施工管理技士(建築)の第二次検定合格後、所定の実務経験を満たす方法などがあります。

Q2.2級施工管理技士補でも営業所技術者等になれますか?

第一次検定合格後に対象業種の実務経験を5年以上積むなど、所定の要件を満たせば可能です。第一次検定の合格だけでは足りません。

Q3.旧受検資格はいつまで使えますか?

原則として2028年度(令和10年度)までです。一定の再受検資格を得た方については、その後も旧受検資格による第二次検定の再受検が認められる経過措置があります。

Q4.製造業で機械の搬入・搬出を行っていた経験は利用できますか?

重量物の揚重運搬配置工事に該当する可能性がありますが、建設工事としての実態、施工管理業務への従事状況、新旧受検資格の対象工事の範囲などを確認する必要があります。

詳しくは、関連記事「製造業の機械搬入・搬出工事と施工管理技士の受検資格者選定」で事例を解説します。

9.施工管理技士の受検資格・建設業許可のご相談

谷島行政書士法人グループでは、とび・土工工事業の新規許可・業種追加に向けて、次のような支援を行っています。

  • 工事内容と建設業許可業種の判定
  • 施工管理技士の受検資格・実務経験の事前整理
  • 営業所技術者等の候補者選定
  • 学歴・資格・実務経験による許可要件の検討
  • 建設業許可の業種追加申請と継続的な許可管理

施工管理技士の資格取得には一定の期間を要します。業種追加を検討している場合は、既存の技術者が利用できる資格・実務経験を早めに確認することをおすすめします。

参考法令・公的資料

  1. 一般財団法人建設業振興基金「2級建築施工管理技術検定」
    https://www.fcip-shiken.jp/ken2/
  2. 同「2026年度受検の手引(旧受検資格用)」
    https://www.fcip-shiken.jp/pdf/r08_2K_1ji2ji_tebiki.pdf
  3. 同「2026年度新受検資格の手引」
    https://www.fcip-shiken.jp/pdf/new-qualification-apply.pdf
  4. 国土交通省「施工管理技術検定の受検資格の改正」
    https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001707687.pdf

※2026年10月時点の制度に基づく解説です。受検資格・申込方法については、受検年度の試験実施機関の手引をご確認ください。

 

この記事の監修者

谷島 亮士
谷島 亮士
谷島行政書士法人グループCEO・特定行政書士外国人雇用・ビザの専門家として手続代理と顧問アドバイザリーを提供。ビザ・許認可など法規制クリアの実績は延1万件以上。 ▶ 求人・パートナー募集はこちら
 
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・自身が10代から15種ほどの職種を経験したことから、事業のコンサルと経営に興味を持ち、その近道と考え行政書士受験、独学合格(合格率2.6%)。
・行政書士・司法書士合同事務所を経験後、大和ハウス工業㈱に入社。「泥くさい地域密着営業」を経験。
・独立し業務歴15年以上、マサチューセッツ州立大学MBA課程修了、現在に至る。
 
- 取引先、業務対応実績一部
・企業:外国上場企業などグローバル企業、建設など現場系の外国人雇用企業
・外国人個人:漫画家、芸能人(アイドルグループ、ハリウッドセレブ)、一般企業勤務者他